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2026-04-02

メモリ価格高騰が直撃するポータブルPC市場と、Anbernic新型機「RG Vita」の詳細

ポータブルゲーミングPCおよびレトロゲーム機市場では、メモリやストレージの価格高騰が深刻な影響を及ぼしており、複数メーカーで生産停止や値上げの動きが相次いでいます。一方で、AnbernicからはPS Vitaライクな新型機「RG Vita」シリーズの詳細が明かされるなど、新機種の開発も継続しています。本記事では、直近の公式発表やコミュニティの動向から、注目すべきトピックを整理して解説します。

メモリ・ストレージ価格高騰による生産停止と価格改定の波

ポータブルゲーミングPCおよびレトロゲーム機業界全体で、部品コストの上昇が製品展開に深刻な影響を与えています。AIデータセンター向けの需要拡大などを背景としたRAMおよびSSDの供給不足により、各社が対応を迫られています。

  • Retroidの動向: 「Retroid Pocket 6」の12GB RAMモデルが生産終了となり、残る8GBモデルも20ドルの値上げが実施されました。さらに、メモリ価格の継続的な変動を理由に「Retroid Pocket G2」の一時的な生産停止も発表されています。
  • AYANEOの動向: SSDの調達コスト高騰を受け、Windows搭載のハイエンド機「NEXT 2」の販売を一時的に停止すると発表しました。予約済みの注文については予定通り生産が進められますが、市場が回復するまで新規受注は見合わせる方針です。
  • GPDの動向: 最新のAMD Ryzen AI Max+ 395を搭載する「GPD WIN 5」において、32GB RAM + 2TB SSDモデルの価格が初期発表時から600ドル上昇しました。

これらの動きは、高性能化が進むポータブルゲーミングPC市場において、最新パーツへの依存が価格転嫁に直結しやすい構造を浮き彫りにしています。消費者にとっては、購入タイミングの見極めがより難しい状況になっていると言えます。

Anbernic新型機「RG Vita Pro」の仕様判明と「RG Slide」のリーク

Anbernicの公式発信やコミュニティを通じて、次期モデルに関する具体的な仕様が明らかになりました。

最も注目を集めているのは、PlayStation Vitaにインスパイアされたデザインを持つ「RG Vita」および「RG Vita Pro」です。上位モデルとなる「RG Vita Pro」は、Android 14と64ビットLinuxのデュアルOS構成を採用しています。 判明している主な仕様は以下の通りです。

  • ディスプレイ: 5.5インチ タッチスクリーン(解像度 1920 × 1080)
  • バッテリー: 5000mAh
  • 通信機能: Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0
  • その他: 1080pのDisplayPort出力対応、本体カラーはブラックとホワイトの2色展開

なお、標準モデルの「RG Vita」はAndroid 12のみを搭載するシングルOS仕様となることが確認されています。

また、コミュニティ内ではPSP Goを彷彿とさせるスライド式端末「RG Slide」のリーク情報も話題となっています。こちらはUnisoc T820チップセットと、アスペクト比4:3の960pディスプレイを搭載するとみられており、レトロゲームの整数スケーリングに特化したニッチな需要を狙う姿勢がうかがえます。

Retroid、生産一時停止中の「Pocket G2」にバイパス充電を追加するアップデートを配信

部品調達の問題で一時的に生産停止となっている「Retroid Pocket G2」ですが、既存ユーザー向けのソフトウェアサポートは継続されています。

Retroidは同機向けにバージョン「1.0.0.176」となるOTAアップデートの配信を開始しました。このアップデートの最大の目玉は、バッテリーを介さずに直接本体へ給電する「バイパス充電(Charge separation feature)」の追加です。これにより、長時間のゲームプレイ時におけるバッテリーの劣化や発熱を抑えることが可能になります。

その他にも、以下の改善が含まれています。

  • Retroid Dual Screen (RDS) アドオン装着時にスリープモードでバッテリーが消費される問題の修正
  • WidevineおよびNetflixの互換性向上
  • 常時表示ディスプレイの時計が画面消灯後に維持されない不具合の解消

生産がストップしている端末に対しても、実用的な新機能を追加するアップデートが提供されたことは、コミュニティ内で好意的に受け止められています。

Ryzen搭載機向けのLinux電力制御ドライバ「DPTCi」が提案される

エミュレータやLinuxベースのゲーミング環境を好むユーザーにとって、興味深い技術的進展がありました。Linuxカーネルのメーリングリストにて、AMD Ryzenプロセッサを搭載するポータブルゲーミングPC向けの電力・温度制御ドライバ「DPTCi(Dynamic Power and Thermal Configuration Interface)」のパッチが提案されました。

これまで、GPD、AYANEO、OneXPlayerなどのAMD搭載機でTDP(熱設計電力)や温度リミットを調整するには、非公式の外部ツールに頼る必要がありました。今回提案されたドライバがメインラインのカーネルに統合されれば、OS標準の機能としてリアルタイムかつ安全にAPUの電力制御が行えるようになります。

テストは「GPD WIN 5(Ryzen AI MAX+ 395搭載)」などで行われており、Ryzen 5000シリーズから最新のRyzen AI MAXシリーズまで幅広くサポートされる予定です。SteamOSの代替となるカスタムLinuxディストリビューションの開発者や、携帯機のバッテリー寿命を細かく最適化したい層から強い期待が寄せられています。

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